男「靴脱いでるし、
これから飛び降りるんですよね?」
女「おっしゃるとおり、
飛び降りようとしてましたけど。
なんですかあなた?」
男「よかったあ!」
女「はい?」
男「だって自殺するんですよね、
ここから飛び降りるってことは」
女「そうですが」
男「自殺するっていうなら、
その前に僕に抱かれませんか?」
女「はい?」
男「なかなか出会えないんですよね、
これから死ぬって人に」
女「……」
男「しかも僕は運がいい。
こんな美人とめぐり会えるなんて」
女「あの、飛び降りていいですか?」
男「僕の話、聞いてたでしょう?」
女「ええ。
エッチがどうとか言ってましたね」
男「フッ、そうです。
僕の目的はただその一点のみです」
男「安心してください」
男「あなたの自殺を止める気なんて、
僕にはこれっぽっちもありませんよ」
女「帰ってもらっていいですか?」
男「僕に帰る場所はありません。
あるとしたら、あなたの胸の中」
女「もう飛び降りていいですか?」
男「どうして!?」
女「ご自分の胸に聞いてください」
男「いいでしょう。
あなたを止める資格は僕にはない」
男「ただ、ひとつだけ
聞かせてもらってもいいですか?」
女「ひとつだけですよ」
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