ガンの一種で、極めて稀な奇病『紡錘細胞肉腫』。この病の名をご存知でしょうか。
この難病を患ったのは、他の誰でも無い私の最愛の息子です。
生まれてすぐに腕に膨張の様な異変が見られ、
おかしいと思い病院へ駆け込み診察をうけた所、病状が発覚。
医師からは
「このままだと悪化する。手術をして腕を切除するしかない」
そう言われました。
初めは、先生が何を言っているのか、
これは現実なのか受け入れる事が出来ませんでした。
聞いたこのない病状と、
いきなり宣告された「腕を切除する」という言葉・・・
受け入れられるはずもなく、
私は目の前が真っ白になり、診察室でそのまま倒れてしまいました。
その事を告げられたのは、実は夫と離婚をしてすぐの事。
職場の部下と不倫をし、そのまま私とまだ幼かった息子を捨てその女性の元へ行ってしまいました。
この先女手一つで育てて行かなければいけないという不安はありましたが、
私自身迷いはなく、何があっても息子と2人で生きる。
そう強く決意していた矢先だったのです・・・
それまで強く固い意志があった自分の弱さを知りました。
息子の腕が片方無くなる。
息子が死ぬかもしれない。
息子がいなくなる・・・
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